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【実践編】目次
①三島湖でムシルアーにトライ! まずは上流へ
②どこに吊るすべきか!?
③秘密のアクションとは
④アワセとファイト
siteBスタッフのアライです。
日本中のフィールドで釣れに釣れているムシルアーのチョウチン(吊るし)だけど、なんだか難しそうで、僕にはできる気がしません。
けど、バイトシーンが丸見えで、なおかつサイズも数もねらえるのであれば、ぜひ挑戦したい!
房総リザーバーのエキスパート・羽生和人先生にタックルセレクトから秘密のアクションまでムシルアーのすべてを教わってきました。

先生(左)◆羽生和人(はぶ・かずひと)
1982年生まれ。亀山湖や三島湖などの房総リザーバーに精通するスペシャリスト。「エンジン」ブランドでロッドやルアーの開発にも携わっている。もちろんムシルアーは大得意
生徒◆アライ
日々更新業務などを行っている。siteBスタッフ。ホームは牛久沼でムシルアーとは縁遠い釣り人生を送ってきた。パワーフィネスもムシも触ったことがないということで今回の生徒役に選ばれた

ひと口に「ムシルアー」といってもさまざまなタイプがある。今回はオフセットフックやマスバリを合わせて使うワームタイプが主役だ。写真は羽生先生の自信作、ブーン(右)とブーンチン(左)
三島湖でムシルアーにトライ! まずは上流へ
【準備編】でムシの基礎知識を教わったアライさん。いよいよ三島湖で実践だ! 取材を行なったのは5月末。バスの産卵がひと段落したタイミングだ。取材2日前には大雨が降っていた。
上流は濁ってそうですね~。さすがにムシルアーでは厳しいですか?
いや、むしろ超絶チャンスです! 三島湖に限らずリザーバーでは大雨のあとはバスが上流に差します。【準備編】で教えたとおり、流れが出ている状態での濁りはバスがエサを追う気になるのでプラス条件ですよ。しかも今日は晴れ。アフター期の太陽光はバスを浮かせます!
ムシって聞くとどうしても「痩せた魚がいやいや食べる」みたいなイメージがあって、濁って流れがある状況だと躊躇してしまうんですよね……。
気持ちはわかります。でも、僕の話の意味はすぐわかってもらえると思いますよ! じゃあ、今日はチョウチン(吊るし)をメインにやってみましょう!
どこに吊るすべきか!?
上流に到着すると川幅が5~10mになり、ところどころにレイダウンや崩落、ブッシュがあった。

吊るせるところは全部吊るす、っていう感じでいいんですか?
ノーノー。基本的にねらうのは上流ゾーンをクルーズしているバス。その魚たちが立ち止まるカバーだけを探ります。
となると、そんなにカバーの数があるわけじゃないので、すぐに探り終わっちゃいますね。先行している方が撃っている場合もありますし……。
ずばり何度も往復します! 動いているバスを意識しているので、一度撃って済ませるのではなく、時間を変えて何度も釣ってみることが大事。朝はノーバイトだったのに、昼に魚が差してきて連発! というケースは本当に多いですよ。
たとえばここから200mの区間でムシルアーを吊るせるカバーは3ヵ所しかないけど、それぞれのカバーを5回ずつ探ってもOK。終わってみればひとつのカバーで合計10尾、ということもあります。この流し方は人が多い房総リザーバーで釣るための極意といってもいいかもしれません。カバーからカバーに移動するときは岩盤際やシャローをドックウォークで探りながら動けば効率がいいです。
そうこうしているうちに超ゴージャスな崩落系のカバーに到着!
羽生先生! 吊るしたくなる場所が多すぎて無理です!
ふふふ。そう見えるでしょ。でも、精査してみると、実はベストな吊るしどころは1ヵ所しかない! これが吊るし場所の条件です。
①枝は細くて硬いものがベスト

枝が軟らかいとムシルアーを動かしにくい。硬く、なおかつバスを掛けた瞬間の衝撃で折れてくれる細い枝がベスト。ランディング率が高い。枝が太い場合はバスを吊るした状態でこちらから迎えに行こう
②ムシの真下の水中がごちゃごちゃしすぎていない

これは単純な話で、枝などが入り組みすぎているとバスがムシルアーを食うときの通り道が確保できない。魚が無理な態勢になりやすくミスバイト率が上がる
③シェードもしくは浮きゴミ、浮き草がある

天井付きのカバーはバスが安心できるため移動中の魚が立ち寄りやすい。なかでも厚すぎない浮きゴミ(草)は最高。ムシルアーのシルエットがぼやけて、バスは気になってついつい口を使いたくなってしまう。フローティングカバーをうまく使うことで警戒心が強いバスも騙しやすい。「ゴミは味方です。使わない手はない!」と羽生先生。ゴミがなければ水面の枝などにムシルアーを添わせてシルエットをボカす手もある
④バスを掛けたあとに獲れない場所はNG

カバーの奥をねらうチョウチンでは多くの場合掛けたバスを迎えに行く必要がある。船で突っ込んでも届かない奥で掛けるのはリスクが高すぎるので、ある程度手前で長時間誘って外におびき出すのが得策だ
⑤キャスト後にムシルアーが水面までスムーズに落ちないときはキャストし直す
ムシが水面まで落ちにくい場所は同時にアクションがつけにくい場所でもある。入れ直すのが得策だ
なるほど! となると、撃つべきはあそこですね。投げてみます! チョン、チョン、チョン、チョン……
チャプッ!!
なんといきなりバイトが! ただしアライはびっくりアワセしてしまい乗せることができなかった。
うん。今のは出たのも必然だし、乗らなかったのも必然だね。雨のあとの適度にカレントが効いている上流で、このゴージャスなカバーのベストスポットで吊るしたわけだから、バイトは出ると思っていました。乗らなかった原因はずばりアクションにあります。そこを改善できれば、絶対にまだチャンスはありますよ!

ムシルアーの吊るしはサイトフィッシングでとくに有効。カバーについたバスはねらいめ

サンドバーをフラフラするバスはムシルアーの吊るしではねらわない。羽生先生はダウンショットリグやノーシンカーリグで釣る。この魚がカバーに立ち寄ったときがムシの登板機会だ

吊るしを行なうのは有望なカバーのみ。移動の際はブーンのドックウォークで手早く流した

たとえばこのブッシュは5回入り直した。初回と3回目、5回目にバイトあり。バスは動いているのだ
秘密のアクションとは

ミスバイトの原因はアクションにあると羽生先生は指摘。なぜ?
羽生先生、いったい僕のアクションの何が悪かったんでしょうか……。
優しすぎるんですよね。
本当ですか!! 嬉しいです。ホームが牛久沼なので、アシやガマを揺らさない優しいアプローチを心がけているんです。でも、今は喜んでる場合じゃないですね。
ムシルアーはもっと激しく動かしましょう! アライさんの動かし方はこうです。

同じ姿勢のまま上下動するブーン
でも、こうするしかなくないですか?
そんなことはないんです。見てみて。

起き上がりこぼしのように暴れるブーン。腹で水を叩いているのがわかる。腹側に塩が入れられているブーンチンだとこのアクションを出しやすい
すげぇ!! ブーンが躍動しているッ!! いったいどうすればこんな動きになるんですか……?
まずロッドの持ち方はこうです。

◆握り方
羽生先生はノーフィンガーでグリップを握っている。最もシェイクしやすい持ち方だからだ。グッと握りこむのではなく、かる~く持つのが大事。ロッドを生き生きと揺らすことができ、ムシルアーのアクションに躍動感が生まれやすい。グリップエンドをヒジに添わせると疲れにくい
◆ロッドの角度
吊るし時は時計の針でいう10時または2時の角度でムシを操作する。これよりティップが低いとラインと枝の接点が広くなりすぎてスムーズにアクションさせにくい。逆にこれより高いとフッキングが決まらない
こう持って、シェイクするというより、ロッドをゆする感じです。枝越しにアクションをつけなきゃいけないから、シェイク程度の細かいロッドワークだとムシルアーが動かせないんです。だから手首を動かすというより、腕全体を使ってロッドを動かしましょう。
【動画】この日の指導風景を動画に収めました。アクションやリズムを動画でチェックしよう!
イメージと全然違いました……。ムシルアーって、細かくシェイクして、細かい波紋を立てるものかと……。
それでもバイトは出るけど、さっきみたいな弱いバイトになりがち。強く動かすとバスも本気で食ってきますよ!

羽生先生が動かすムシルアー。強く水面を押していることが波紋から伝わってくる。小さいムシだが、こう動かすことでアピール力がアップするのだ。「今日は濁り気味なのでいつもより強く叩くことを心掛けています。あとはバスの反応を見ながら微調整すればOK。ムシの吊るしはバスとの会話です」と羽生先生
動かすリズムは一定でいいんですか?
最初はそれでOKです。バスをムシルアーの近くまで寄せてくる段階では必ず一定のリズムで誘う。絶対に止めちゃダメ。この段階ではバスも半信半疑なので止めると見切られる。この釣りの場合、バスが寄ってくるとだいたい魚体が見えるから、そこでアクションを切り替える。
というと……?
「逃がす」動きを入れましょう。水面にムシルアーをつけずに空中で上下動させてそこから急に落としたり、もっと激しく動かしてイレギュラー感を出したり……。要はバスを慌てさせて深くバイトさせるんです。
教わった動かし方を練習するアライ。しばらくうまくできなかったが、ちょうど疲れてきたくらいで急にムシルアーがイキイキしはじめた。
疲れて力が抜けてきたらうまくできるようになってきました! ラインスラックを弾ませるイメージでやればいいんですね。単純に上下させるだけじゃダメってことがよくわかりました。
そうそう。力を入れずにぶらぶら~って感じでロッドを振るといいんですよね。ラインが暴れて、ムシルアーも弾みます。もうそろそろ釣れると思いますよ!
するとバイトが……!
1度目は乗らなかったが、そのままチョウチンを続けていると2度目、3度目のバイトが! そしてついにフッキング成功! ランディングしたバスは40cmアップだった。

ブーンチンの吊るしで1尾目をキャッチ!
完全にスイッチが入っている食い方でした……。こうやって何度も食べてくれるんですね。
そうそう。うまく動かせている証拠です。そしてアライさん、このバスの腹を見てください!
ポンポンですね。「ムシ=痩せているバス」っていうのが間違ったイメージなのがわかりました! ところで羽生先生、バイトがない場合、最長でどれくらいチョウチンを続けるんですか?
2分くらい水面を叩き続けることもありますよ。こんなに長くやるの? と思うかもしれませんが、遠くのバスを寄せることを考えると長すぎることはないです。キャスト時にはそこにいなかったバスが途中で泳いでくるケースもありますし。

1尾目の壁を越えたあとはコンスタントにキャッチ成功! 重さがあり投げやすいブーンチンは吊るし初心者のアライにも優しかった

釣りまくるアライ。「ムシルアーは痩せたバスが食う」というアライの思い込みは間違っていた!
アワセとファイト
なんとか1尾目をキャッチできました。ありがとうございます! ところでアワセは今のでOKでした? ちゃんと送り込んだつもりなんですが……。
この釣りは基本的に即アワセでOKです。「出た!」と思ったら積極的に掛けにいきましょう。玉ウキが消し込んだらがっつりアワせる! そういうイメージです。

出た! と思ったら即アワせてOK

バスが吊るされる状態になったら……
掛けたあとのファイトのコツはあるんですか? 枝の乗り越えさせ方とか。
とにかく無理をしないことが大事です。フッキングの衝撃で運よく枝が折れたらそのままファイトすればOKですけど、バスが枝に吊るされる状態になったら、強引に寄せるのではなくこちらから迎えに行くのがベスト。フッキングさえ決まっていればバラシは少ないです。


ボートで迎えに行こう。決して無理に寄せようとしてはいけない
はい! よーし、釣りまくるぞ!
結果、この日アライはブーンチンのチョウチン(吊るし)で6尾のバスをキャッチ。すべての魚がグッドコンディションの1kgオーバーだった。「今日がムシルアーデビューだったのに近年でいちばんいい釣果になりました」とアライ。「吊るしのアクションはコツを覚えるのにちょっと時間がかかりましたが、ぎこちないロッドワークでも自重のあるブーンチンはおどろくほどよく動いてくれました。牛久沼でもやってみるのだ!」と意気揚々と帰路についたアライさんでした。(おわり)

夕マヅメはガラリとシチュエーションを変えて本湖の岩盤へ。ボートを離してブーンオリジナルのドックウォークで誘った。「夕方は岩盤の沖をクルーズするバスがいるはず」と羽生先生


これまでは教え役に徹していた羽生先生だったが、アライが充分に釣ったので夕方はブーンをキャスト。すぐに50cmクラスをキャッチ!

この日お世話になった「石井釣舟店」
◆エンジン
Source: サイトビーbyBasser
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